日本では古くから、いわゆる“雀荘”にて麻雀で遊ぶ文化が根強く残っています。そして最近では、特に2018年にプロ麻雀リーグ「Mリーグ」が発足し、動画配信サービスで視聴できるようになって以降、麻雀人気がより高まっています。
加えてテクノロジーの急速な発展により、マージャンはついにオンラインでもプレイできるように。スマートフォンさえ開けば、目の前に麻雀卓が広がるのです。この手軽さから、競技人口はますます増加傾向にあります。
一方で、実際に動画で麻雀のプレイ映像を見てみると、「専門用語が多くて難しそう」と感じる初心者も少なくないのでは。しかし実際には、初心者であってもコツを押さえていけばすぐに上達し、勝率を高めることが可能です。本記事では、オンライン麻雀をこれから始める方や、始めたばかりの方に向けて、実践的な上達のヒントをお届けします。
リアル麻雀とは異なる、オンライン麻雀の特徴
オンライン麻雀は、リアル麻雀以上に初心者に向いているとされています。その理由は、対局中の点数計算やルールの処理が、すべて自動で行われるため。つまり、難しい計算や細かいルールを自分で覚えていなくても遊べるのです。
一方で、すべての作業をオンラインに委ねていると、勝因や敗因が分からないままにゲームが終わり、次のゲームがスタートしてしまうこともあります。そして、初心者が上達を目指すならば、結果画面を見ながら「自分はどういう役でアガったのか」「なぜこの点数になったのか」を少しずつ理解していくことが重要となります。
また、リアルの麻雀と違い、相手の顔や態度を見ることはできません。そのため、オンライン麻雀では捨てられた牌やリーチのタイミングといった「目に見える情報」だけをもとに、戦い方を考えていく必要があります。したがって、本記事が紹介するヒントのような、論理的に判断するスキルが求められると言えるでしょう。そのため、オンライン麻雀の攻略することは、ロジカルシンキングの成長にもつながるはずです。
捨て牌から相手の戦略を分析
麻雀では各プレイヤーが場に捨てた牌、つまり「捨て牌」が、相手がどんな手を作っているのかを予測するヒントとなります。
たとえば、序盤で字牌(東、南、白など)や、端っこの数字(1や9)を早めに捨てている人は、早く形を整えて“アガリ”に向かっている可能性があります。逆に、中盤や終盤になっても同じ種類の牌を1枚も捨てていなかったら、「この種類の牌を集めているのでは?」と警戒する必要があるでしょう。
このように、捨て牌に目を向けることで、相手の手を読むきっかけになるはずです。
リーチの時こそ慎重に行動
麻雀をやっていると、「あと1枚でアガリ」を意味する「テンパイ」になった時、「リーチ」という行動が取れるようになります。リーチを宣言した上でアガると、アガリの点数が高くなるうえに、相手へのプレッシャーにもなります。
しかし、一見有利と思えるリーチにも、注意点が存在。たとえば、一度リーチをかけると、その後は手を変えることができなくなります。そのため、もっと良い形の待ちが来ても、変更はできないことになります。さらに、リーチした直後に、他のプレイヤーが系開始、安全運転に走ることも。そうすると、自分が欲しい牌が出にくくなることもあります。
特に初心者のうちは、テンパイしたらリーチと考えがちですが、リーチせずに静かにアガリを狙うのほうが効果的な場面もあるのです。
このことから、点差や場の流れを見ながら「本当に今リーチすべきなのか?」と、冷静に考える癖をつけると良いでしょう。
牌効率を意識
「牌効率」とは、より少ない手数でアガリに近づけるように、効率よく牌を組み合わせていく考え方です。
たとえば、1と2の牌を持っている場合、3を引けば「1・2・3」の順子が完成します。しかし、3と4を持っていれば、2を引いても5を引いても順子ができる。つまり、同じ2枚でも、次に引ける牌の選択肢が多い形のほうがアガリに近づきやすい、ということになるのです。
また、序盤のうちは、1や9、そして字牌(東・南・白など)のような端っこの牌や役に絡みにくい牌は、あまり手役作りに向いていないことが多いです。一方で、2〜8の「中張牌(ちゅんちャンパイ)」は、順子にも対子にもなりやすく、手を広げるうえで重要なパーツになります。
初心者のうちは「完成形に近いものを優先して残す」という基本を意識するだけでも、手の進み方が大きく変わってくるはずです。
点数や順位に応じた戦術の変更
麻雀は、単にアガるだけでなく「どのくらいの点数でアガるか」「今の順位をどう動かすか」といった、ゲーム全体を見渡す力も求められます。たとえば、自身がすでにトップの位置にいるとします。その場合は、大きなリスクを取らず、守りを意識して手を作るのが一般的であると言えるでしょう。逆に最下位のときは、多少リスクがあっても高得点の手を目指さなければ逆転はできません。
そして、オンライン麻雀では現在の点数や順位が、画面上に常に表示されています。これを随時チェックすることによって、「今は守ったほうがいいのか、攻めたほうがいいのか」をといった戦い方を定めやすくなるはずです。
フリテンに警戒
オンライン麻雀では、チョンボと呼ばれる反則行為は、システムで防止される仕組みが整っています。一方で、「フリテン」には注意が必要です。フリテンとは、「自分がすでに捨てた牌でアガることができない」というルールのことを指します。
具体的には、たとえば自身が現在5萬で待っているとします。しかし、その5萬を自分で捨てていたとしたら、誰かがその牌を捨てたときにアガることはできなくなります。この状態がフリテンです。自分で引いた牌「ツモ」ならアガれるケースもありますが、チャンスはかなり少なくなってしまうでしょう。
なお、オンライン麻雀では、フリテンのときは自動でロンができないように表示されます。「なんでアガれないの?」と不思議に思ったときは、まず自分の捨て牌に同じ牌がないか確認してみてください。
観戦やリプレイ機能を活用
オンライン麻雀には、自分以外の対局を「観戦」したり、自分のプレイを「リプレイ」で見返すことができる機能が備わっています。これらを活用することで、ただプレイするだけでは得られない学びが得られるはずです。
たとえば、上手なプレイヤーの対局を観ていると、「なぜその選択をしたのか」など自分では気づかない判断をたくさん見ることができます。
また、自分の過去のプレイをリプレイで振り返ることで、「もっと良い手はなかったか」といった客観的な分析が可能。そして、自分の判断力を少しずつ鍛えることができるでしょう。
さらに、オンライン麻雀に慣れてきたら、トッププロの麻雀プレイヤー同士の戦いが繰り広げられるMリーグを観戦することで、より大きな成長を望めるかもしれません。
もとろん実践を多く重ねることも大切ですが、このように「打つ」だけでなく「観る」ことも、麻雀を楽しみながら強くなっていくための大切な一歩となるはずです。